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露地の畑の湛水について


質問 2006/10/30  受付NO.00528   【露地の畑の湛水について】
いつもご指導ありがとうございます。露地の畑の湛水についてお聞きしたくメールさせていただきました。今年露地でししとうを栽培しまして、青枯病などの土壌病害に苦慮しました。別に畑がないので圃場を変えることができなく、来年も同じ畑を使う予定です。春先には土壌消毒をする予定ですが、少しでも病原菌の数を少なくしたいので、作が終わり次第、残さを処理して湛水しようかと思っております。そこで、その湛水の期間や方法、注意点など分かりやすく教えていただけないでしょうか(恥ずかしながら初めて行います)。よろしくお願いいたします。
質問をお寄せいただき、ありがとうございます。まず、土壌消毒(土壌病害の低減効果)には、
1)農薬や農薬肥料による化学的防除:農薬土壌消毒、石灰窒素施用
2)高温による物理的防除:太陽熱消毒、熱水消毒
3)無酸素(還元状態)による生理学的防除:土壌還元消毒
の3つがあります。
今回、質問を頂いた湛水処理というのは、3の生理学的防除に含まれます。ただし、湛水処理は大量の水が必要で、田んぼと同じような状態にする必要があります。(逆に言えば、田んぼと同じような状態にしないと十分な効果が得られません。)また、湛水期間が短いと、逆に圃場全体に土壌病原菌を拡散させることになり、被害をより一層深刻にさせる恐れもあります。そのため、湛水処理を行う場合は、裏作で湛水にするというよりも、輪作の1つとして、一度畑から水田に戻すことで、湛水状態にするという方法が多いように思います。ただし、土壌病害の中でも、なす科野菜における青枯病は難防除病害に含まれ、実際に数年水田に戻した圃場でも、青枯病が発生した事例もあるので、湛水処理による効果は、実際のところ、『わずかにある』という程度のように思います。ですので、この秋から冬にかけては、湛水状態にするよりも、土壌病害が発生しにくい土にするための土作りに努めた方がよいように思います。具体的には、堆肥(牛糞・鶏糞よりもワラや腐葉土のような植物性有機物の方が良い)を1aあたり100〜200kg、石灰窒素を1aあたり5〜10kg散布して耕耘して頂いたらと思います。(この場合の石灰窒素は、土壌消毒効果よりも有機物分解効果を期待してです。)このように、湛水状態を保つことが難しい上、十分な効果が得られるのも難しいので、最近では微生物の発酵作用を利用して無酸素状態を保つ『土壌還元消毒』と呼ばれる土壌消毒方法が普及してきています。詳しい方法は、下のアドレスなどでも紹介されていますので、ご覧いただければと思います。
http://www.agri.pref.hokkaido.jp/fukyu/soc/habataki/engei/engei5.html
参考までに他の土壌消毒方法の説明もしておきますと、まず、農薬土壌消毒は温度によって多少の効果の良し悪しがありますが、概ね効果が安定しているのが特徴です。(気温が低い時期なら、消毒期間を長くすればそれなりの効果は得られます。)ただし、消毒後のガス抜きを十分に行わないと、作物を播種・定植した後に枯れてしまうという事態になってしまうので注意が必要です。石灰窒素施用は、他の土壌消毒方法と比べると比較的簡単ですが、効果は未知数な部分が多く、実際の所、『気やすめ』といった感じになっているのが現状です。太陽熱消毒は、先程の土壌還元消毒と並んで人気のある土壌消毒方法です。夏季に、大量に散水した後ビニールで被覆し、土を高温状態に保つことで、土壌病原菌を殺す方法になります。手軽ではありますが、夏の気温の高い時期でないと温度が十分に上がらず、効果が低くなってしまうため、最近では実施期間に幅のある土壌還元消毒の方が主流になりつつあるようです。とは言っても、効果面では土壌還元消毒よりも太陽熱消毒の方が効果が高いことから、最近では、あらかじめボイラーなどで熱した熱水を土壌に散布して直接的に熱消毒をする熱水消毒も注目を集めています。設備費用や燃料費が必要にはなりますが、太陽熱消毒と比べても効果が安定しているほか、消毒期間も圧倒的に短くできるため、作付と作付の合間でも消毒が可能なため、施設栽培の先進地や大産地などでは導入されてきているようです。
回答


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